花札の魅力

日本を代表するカードゲームといえば百人一首ですが、花札も忘れてはなりません。ルールが複雑なように感じますが、覚えてしまえば結構簡単です。

任天堂花札

私は花札が好きです。ほとんど「こいこい」専門ですが、手軽でどこでも楽しめることと、なにより季節を感じられるところが気に入っています。元々はポルトガルのトランプが由来であり、現在の八八花が定着したのも明治時代になってからです。

日本のあらゆる地方によって絵柄が異なる、いわゆる地方札というものが存在しますが、一般的な札の絵柄は一月は松、二月は梅、三月は桜、四月は藤、五月は菖蒲、六月は牡丹、七月は萩、八月は芒(すすき)、九月は菊、十月は紅葉(もみじ)、十一月は柳、十二月は桐となります。旧暦に準じていますが、実際の季節と自然のモチーフにそぐわないものもあります。例えば二月の種札に描かれる「梅に鶯」は、実際はメジロであったり、一月の光札の「松に鶴」もありえない組合わせです。しかしながら、これらは縁起物であったり慣習であったりと様々な言い伝えによってできた絵柄なので、それも含めて風流とするのがイキというものです。

大石天狗堂・明治時代の花かるた

札はトランプなどと異なり、非常に小さいですが厚みはしっかりとしています。コンビニや100円ショップで売っているものは簡易的でありますが、最大手の任天堂や、松井天狗堂のような専門業者の作る手作りのものは触れているとなんともいえない心地よさがあります。

ハワイの花札・Hawaii Flower Card Game HANAPUA

また、他のカードと同じように様々なものがあるので蒐集にも向いています。伝統的な絵柄のもの、手作りのもの、絵柄を面白くしたものなど見ていて飽きません。私はハワイの自然をモチーフにした花札が気に入っています。日本の自然ではありませんが、同じように自然をこよなく愛するハワイの人々の心に触れているような気がします。

のんびりと公園の芝生で花札を楽しんでいると、小さな子どもが珍しそうに眺めてきたり、温泉など日本の旅を楽しんでいる際に旅館で遊んで雰囲気を深めたり、二十四節気に思いを馳せながら絵柄を楽しんだりと、花札の魅力は任侠映画の趣を超えて非常に幅広いものであると思います。

親しい人と二人の時にでも、ぜひ楽しんでもらいたいなと思います。私の小さな夢は、これまで培った野鳥と野花の知識をフル活用して自分だけの絵柄の花札を作ることです。

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