万物発して清浄明潔なれば此芽は何の草と知れるなり

桜も咲き始め、いよいよ本格的な春がやってきました。暦も仲春から晩春に差し掛かろうとしています。生きとし生けるものがキラキラと輝き出す、清明の節気まであと少しです。

東京都文京区小石川:播磨坂

人それぞれに定番の花見スポットがあると思います。有名な場所だけでなく、地元の人たちだけが知っている場所など様々ですが、私の定番はやっぱり文京区。先週の土曜日は「文京さくらまつり」で有名な播磨坂と、その近くにある小石川植物園を訪れました。

東京都文京区小石川:播磨坂

桜は一分から二分咲き程度ではありましたが、お祭りの初日だけあって桜の下は地元の人たちでいっぱいでした。長い冬をじっと耐え忍んだ後なので、桜を愛でる喜びというのは特別なものだといえます。

東京都文京区小石川 小石川植物園:メジロと梅

小石川植物園も花見客でいっぱいでしたが、野鳥たちも負けずにそこかしこに飛び回っていました。その代表格はメジロですが、桜は梅よりも樹高が高いので小さく見えるだけでした。それでも喧嘩しながら我先に蜜を追い求める姿は愛らしく、気持ちをじんわりと和ませてくれます。

東京都文京区小石川 小石川植物園:ヒヨドリ

ヒヨドリも旺盛に桜の蜜を吸っていましたが、別の花でも(シデコブシでしょうか)構わないらしく、花びらをむしっては食べていました。

東京都文京区小石川 小石川植物園:梅

梅林のほうへ足を運んでみると、梅はもう役目を終えたかのように静かに枝を揺らしていました。梅は蕾(つぼみ)のときも、散って枯れても情緒があり、老成していると言われる私としては桜より愛おしい存在です。

東京都新宿区霞ヶ丘町:ワカケホンセイインコと桜

こちらは神宮外苑にいたワカケホンセイインコです。桜の花をつまんでは地面に落としていました。樹の下で子どもや年配の方が落ちてくる花を楽しそうに受けとめていたので何事かと思いましたが、彼らの姿を見て納得しました。

東京都港区北青山:ハナニラ

そして桜以上に印象的だったのが、地面を星空のように彩るハナニラの花です。住宅の軒先、空き地や路上の傍にたくさん咲いていました。昨年はこの花に特に注目していたので、再び出会えたことを嬉しく思いました。

今週末は花見の最盛期を迎えますし、春は短いながらもまだまだ続きます。これから迎える清明の節気(四月五日頃)は「万物発して清浄明潔なれば此芽は何の草と知れるなり」、つまり「草木が芽吹いて清らかで、草木の種類が明らかになる」頃です。少しでもこの美しい季節を味わえるように、土日は時間を作って歩き回りたいと思っています。

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