小さな世界

遠くイギリスの地で大きな動きが動きがありました。現地の雰囲気はその場にいないと掴みにくいものですが、経済的な混乱は海を越えて私たちの近くにも迫りつつあります。

猫

リーマン・ショックの時もそうでしたが、当初私はアメリカで起きた出来事に実感がわかず、大きなニュースのひとつとして捉えていました。日本とは異なるアメリカの住宅ローンシステムが引き起こしたサブプライム住宅ローン危機や、金融という複雑な商材を扱う投資銀行のシステムには縁が薄く、そこにつながる世界経済への影響に対して実感がわいていなかったのだと思います。

加えて、金融資産を積極的に運用していたわけでもなく、直接的な被害はありませんでした。しかしながら、末端の私が務める会社、そこから顧客企業、そして国、世界へとつながっていき、最終的には世界的金融危機の被害を被りました。

今回のイギリスのEU離脱も、様々な影響でその結果に至っています。EUに対するイギリス国民の不満、とりわけ移民の流入がクローズアップされています。これは先進国とそれ以外の経済力の差が、ついにはバランスを保てないほど大きなものになっていることも遠因なのではないかと思います。そして、EU離脱から次のシナリオも、様々な影響を撒き散らしながら私たちへ困難を与えていくものだと思います。

世界は昔に比べて小さくなったと言われますが、リーマン・ショックや今回の出来事を見ていると、まさにその通りだと思います。自分とはまるで関係のないものが密接に関係していて、他人事と無視できない状況の中で生活しているのだと思います。つい、それらから逃れ、孤立しようと思ってしまいますが、むしろ広範囲に興味を広げていくべきだと思います。

自分の目で見て、自分の足で歩いて回り、より多くの人々とつながって様々な見地を集めていったほうが、大局的に事象を捉えることができ、理解も深まります。文献などを手掛かりに調べてみたり、様々な場所に訪れて、同じ文化の人々に加えて異文化の人々との交流も行なうべきだと思います。私は中国で仕事をしたことや、仕事場での欧米のインターン生との交流、国内で暮らす家族、道行く先で会話する人々など、あらゆる人々とのコミュニケーションを通してそれを少し実感しています。

それらを積み重ね、心で納得できることによって余裕が生まれ、冷静な判断が下せるのだと思います。少々大げさですが、それが世界につながっている現代の私たちの課題であり、偏ることなく世界を新たな調和に導くことができるきっかけになるのではないかと思っています。

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