贈りもの

今年の八月はあっという間に過ぎてしまった印象です。二十四節気でも処暑に移り変わりました。秋分にもすぐ手が届いてしまいそうです。

ヒメジョオン

つい先日にお中元を贈ったと思ったら、もう秋の気配がしています。夜になると虫の鳴き声が辺り一面に響き渡って、昼間の暑さを忘れさせてくれます。お歳暮を気にする季節も、あっという間に来てしまうのでしょう。

さて、お中元やお歳暮に限らず、私は誰かにものを贈ることは好きなほうなのですが、逆に贈られることは苦手だと思っています。相手が気持ちを込めてくれるのは本当に嬉しく思うのですが、受け取ったときのリアクションがあまり得意ではないからです。
せっかく色々と考えて贈ってくれたのに嬉しそうな笑顔を見せることができないので、何だか申し訳ない気持ちになってしまいます。実際は嬉しく思っているにもかかわらず、表現に乏しいがために相手を落胆させてしまうのは忍びないと考えると、余計に笑顔がぎこちないものになってしまいます。

文京朝顔・ほおずき市の風鈴

逆に自分が贈り物をする際は、リアクションを考えなくてよいので気が楽です。基本は相手が欲しいと思っているものを選ぶか、もしくは直接何が欲しいか聞いてしまいます。このほうが相手もリアクションに気を使わなくて済むので楽なのかなと思うのです。
そして本命以外に、自分の贈りたいものをおまけとして付け加えたりします。すでに相手の欲しいものを担保しているので、安心して渡すことができます。

また、誕生日や記念日以外の何もないときにも贈りものをすることがあります。そもそも相手が期待していないときにたわいないものを贈るだけなので、渡すときに気が楽なのです。

東京都江東区富岡:猫

ところで、贈りものをするのは本当に素敵な行為だと思います。相手のことを考えることが前提ですし、かたちとして後にまで残るというのは、その当時の気持ちを思い出させるタイムカプセルのようなものだと思います。また、贈る相手がいるということにも感謝したいところです。この先、年老いて独りだけになってしまうかもしれませんが、ものを贈りたい気持ちというのは忘れずにいたいものです。

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