日没時間に感じる季節の訪れ

冬至に向けて日照時間が短くなり、伸びる影も次第に細長くなっていきます。日没時間も早まっているので、支度にちょっと手間取ると、外に出たときに辺りが暗くなっていることもしばしばです。

東京都北区豊島:隅田川

冬至は12月の後半、天皇誕生日やクリスマス辺りなので少し先ですが、日没の時間が最も早いのは、東京地方では11月末から12月上旬だそうです。その頃は16時半に太陽が沈み始めるそうですが、11月5日の現時点でも16時42分なのでピークまであと少しといったところでしょうか。逆に最も日没の遅い時刻は、今年は東京地方で18時56分、6月29日だそうです。二時間以上も差があり、地球の地軸の傾きが大きいのだなと実感します。

東京都北区豊島:隅田川

暖かい時期から寒い時期へ移行するときにいつも感じるのですが、あんなに暖かかったのになぜこんなにも寒くなるのか不思議な心持ちになります。夏の暑さに慣れてしまい、このまま一生同じ季節が続く錯覚に襲われます。とりわけ私は冬よりも夏のほうが好きなので、この寒さに半年間耐え続けなければならないことに憂鬱な気持ちになります。

ハナミズキの紅い実

しかしながら、秋や冬の彩りはとても美しく、日本の風景にもよく合っています。とりわけイチョウの紅葉やハナミズキの紅い実、葉が落ちた木の枝に止まる様々な種類の野鳥たちはとても美しく、灰色に染まっていく世界にほんのりとした温かみを感じさせてくれます。

秋の夕暮れ

また、道端に積み重なるケヤキの落ち葉や、枯れて種だけ残したムクゲの木、高くなった空に浮かぶうろこ雲なども、派手はないのですが美しく感じます。また、傾いた日差しが当たる川沿いの工場群のコンクリートなども、少々寂しさを纏っていて切ない気持ちになります。

秋の夕暮れ

それらを眺めに散歩に出かけたいのですが、日照時間が短いのが少々厄介です。早く起きても日の出の時間も遅いですし、どうにかならないものかと思いますが、秋冬の季節は本を読んだり文章を書いたりと家の中で過ごすのも悪くないかもしれません。また、食べ物が美味しい季節でもありますから、温かい鍋でもつつきながら、親しい人とお酒を酌み交わすのも適切な過ごし方かもしれません。

秋の夕暮れ

どちらにせよ、巡ってはやってくる季節をきちんと感じ、自分の一部として受け止めていきたいものです。春の訪れも、寒さに耐え忍ぶからこそ尊く嬉しいものだと感じることができますからね。

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