二十四節気では小雪(しょうせつ)を迎えました。大雪、冬至、小寒、大寒を迎えると、立春へと戻ります。
一年をぐるっと過ごして同じ季節がやってくると「早かったな」と小さな驚きを感じることがあります。先日、ハマヒサカキの生垣の近くでメジロの声を聞いたときに、昨年からもう一年経ったのだと感じました。
ヒサカキは日の当たらない場所でも育つ丈夫な植物として、一軒家やマンションだけでなく、道路の生垣用に植えられています。目立つ花を付けるわけでもなく枝ぶりも平凡なため、目にしても記憶に残らない平凡な植物です。秋から冬にかけて実を付けるのですが、その実を求めてメジロがたくさん集まるので、私は昨年から注目するようになりました。その中でもハマヒサカキは丸い葉っぱが可愛らしく、お気に入りの植物です。
実を口にすると、ほんのりブルーベリーのような風味があってなかなか美味しく、野鳥たちもなかなか舌が肥えているなと思います。特に花の蜜や果実が好きなメジロには好評のようで、何羽か警戒しながら近づきつつ、ヒサカキの実を頬張っています。
メジロの声を聞きなれない方は、彼らの声が小さすぎてもっと遠くにいるのではないかと思うかもしれませんが、すぐ近くの木の枝に身を隠していたりします。なんともいえない可愛い声なのですが、か細いので聞いていると少し切ない気持ちになります。ハマヒサカキは葉が落ちないためにメジロの姿を見つけづらいのですが、彼らをよく見たい場合は柿の木を探すと今の季節は比較的簡単に見つけられます。
昨年の今頃にハマヒサカキに集まるメジロを間近で見て感動したのを覚えています。あの時の感動が再び沸き起こるようで、とても嬉しい気持ちになりました。しかしながら、一年というのはあっという間ですね。幼少の頃は一年をとても長いものと感じましたが、歳を取ったが故の時間の進み方なのでしょうか。さて、メジロたちの一年は長いものなのか、短いものなのか。彼らを草葉の陰から観察しつつ、思いを馳せたいと思います。