立春と恵方巻き

ついに立春が訪れました!暦的には春の到来です。二月、三月はまだまだ寒さが厳しいですが、暦だけでも春がやってきたのだと思うと嬉しい気分になります。

東京都文京区小石川 小石川植物園:梅

蝋梅はすでに黄色い花を咲かせています。梅の花もそこかしこで咲いていて、沈丁花も自分の出番を今か今かと待っています。ついに花の咲き乱れる季節が訪れますね。二十四節気では一年を一回りして立春を迎えました。一般的には節分と言うほうがしっくりくるでしょうか。

節分といえば豆まきですが、現在では恵方巻きのほうが一般的になっているといいます。博報堂が2011年に調査したところでは、豆まきをした(44%)ことよりも、 恵方巻きを食べた(48%)ことのほうが多い結果もあるそうです。私はといえば、生まれてこのかた恵方巻きというものを食べたことがありません。

元々、恵方巻きは大阪を中心とした風習だと言います。それをファミリーマートが1983年に売り始め、その6年後にセブンイレブンが全国展開して一気に普及したそうです。今ではお正月と同時にコンビニの軒先に「恵方巻き」と書かれた幟(のぼり)が掲げられ、デパートや量販店には様々な種類の恵方巻きが並ぶようになりました。

クリスマスケーキやチキンも、バレンタインデーのチョコレートも、土用の丑の日の鰻もそうなのですが、ブームを作って食べ物を売ろうとするプロモーションは個人的にあまり好きではありません。土用の丑の鰻に関しては、安永・天明の時代(約250年前)頃からのもので、すでに風俗的な趣があり例外ではあるのですが、関東人の私としては、恵方巻きに関してはなかなか受け入れることができません。子どもの頃にはなかったものが当たり前のように「全国的な風習」のように宣伝されている、もしくは誤認されるように売られていることに違和感があります。関西以南の方たちには違和感がないようなので問題ないのですが、コンビニなどの仕掛ける側は、きちんと由来なりを説明してほしいなと思います。そのほうが、むしろ警戒せずに受け入れられると思います(偏屈な私だけの考えですが)。

ところで、これらの食材は毎年大量に作られて、大量に売れ残ったものをアルバイトに買わせたり、処分をしてしまうことがとても悲しいことだなと思います。季節の商品は食材以外にもたくさんありますが、過剰供給をする側も、受け取る消費者も、少し考えなければならない問題だと思います。

もちろん、堅いことは抜きにして恵方巻きを頬張って、立春という季節を感じることも自由です。但し、自然の訪れを感じ、感謝することだけは忘れずにいてほしいなと思います。

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