春の兆し

ここ最近の何年かは週末に休むことができるようになり、ずいぶんと余裕ができてきました。本格的な春も間近なので、休みの日に外に出かけるのが楽しみでしょうがありません。

東京都足立区:荒川の猫

私はいろいろな場所に出向いて散歩をするのが大好きなのですが、子どもの頃に住んでいた近くの川沿いの土手に行くと心が和みます。特に春は小さな花々が一斉に芽吹いており、優しい気持ちにさせてくれます。

東京都足立区荒川土手:ナズナ

三週間前くらいにも、ふらりと荒川の土手に足を運びました。子どもの頃によく土筆(ツクシ)を取って遊んでいたので、生えているかなと思って出向いてみたのですが残念ながらひとつも生えていませんでした。時期がまだ早かったのか、それとも土手の造成を新たに行なったために同じ場所に生えなくなったのかは不明ですが、代わりに小さな花たちが出迎えてくれました。

東京都足立区荒川土手:オオイヌノフグ

最初に見つけたのはオオイヌノフグリでした。これはやはり子どもの頃、父親が名前の由来も含めて教えてくれた花で、名前とは異なりとても可憐な印象です。
青い花の中にほのかに、でもはっきりした色合いの黄色が可愛らしいです。

東京都足立区荒川土手:ヒメオドリコソウ

こちらはヒメオドリコソウです。傘のような葉の裏側から顔をのぞかせるピンク色の小さな花弁が踊り子のようで可愛らしいのですが、明治時代にヨーロッパからやってきた帰化植物です。名前の「ヒメ」は「小さな」という意味で用いられていますが(タニシの小さな種類はヒメタニシなどというように用いられます)、小さくない本来のオドリコソウは日本原産だそうです。姿形は少々異なりますが、現在ではヒメオドリコソウのほうが繁殖しているため姿の違いを比較することはなかなか難しいようです。

東京都足立区荒川土手:ハルノノゲシ

ハルノノゲシは花を咲かせるどころか、すでに綿毛を作っているものもありました。植物や虫たちは季節の移り変わりを敏感に感じて活動を始めています。人間はもう少し大きな変化がないと季節の移り変わりを感じれませんので、見習いたいところです。

今日は三月十五日なので、次のコラムを書く時にはすでに春分の日です。本格的な春の到来まであと少し、もう少しの辛抱です。

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