趣味という小さな挑戦

人生は挑戦するからこそ面白いものだと思います。夢に対する大きな挑戦、例えば仕事や勉強などは言わずもがなですが、それは億劫と考えてしまう場合もあります。

涼拌黑木耳, 炒饭, 梅菜扣肉, 紫菜蛋花汤

私は努力をすることが苦手で、かつ夢が叶わないことを怖がって、大きな挑戦を避けてしまう傾向にあります。おそらく私と同じように考える人々は多いのではないでしょうか。その代わりに、私は趣味の範囲で小さな挑戦をすることで、自分自身をごまかしたり、平凡な人生に彩りを加えようとすることがあります。

私は移り気な性格のため、色々な趣味に手を出しています。例えば、模型作りに精を出していたかと思えば、翌日には外に出て野鳥探索に出かけたりしています。最近では園芸や盆栽、包丁研ぎや料理などをしています。

先日、かっぱ橋商店街で山田工業所の中華鍋を購入しました。中華鍋は中国で生活をしているときに愛用していて、とても扱いやすかったのを覚えています。鉄製のものが火が通りやすく使い込むほど手に馴染んでくるので、定番の山田工業所のものを選びました。

鉄はテフロン加工のものに比べて焦げ付きやすく扱いづらいと言われますが、油をきちんと管理すれば焦げ付くことはありません。食材を入れたときの「ジュワッ」という音の気持ちよさや、鉄のお玉とぶつかる「カン、カン」という音が料理をしている気分を盛り上げてくれます。

梅菜扣肉

炒飯や回鍋肉など定番の料理を中華鍋で作っていましたが、先日は私の好物の梅菜扣肉(メイツァイコーロウ)にも挑戦しました。高菜に似た梅菜の上に、煮て、焼いて、蒸した三枚肉を乗せたいわゆる角煮です。作るのに三時間ほど時間がかかりますが、梅菜のほのかな風味でご飯が進む美味しい料理です。

中華料理は調味料が決め手ですが、これらは日本で簡単に手に入ります。池袋、上野、ネットの通販などあらゆる場所で売っています。世界中の品が手に入る日本という国は、本当に素晴らしいと感じます。

涼拌黑木耳

先ほど「夢に怯えて小さな挑戦に走ってしまう」と書きましたが、こういった趣味の世界を突き詰めていると本筋の挑戦に還元されることもあります。向田邦子の料理や川端康成の骨董趣味、夏目漱石の俳句や漢詩に至っては趣味の領域を大きく超えてはいますが、ひとつのものだけを突き詰めようとする了見だけではふくよかな気づきというものが得られないような気がします。クリエイティブな職業であればなおさらで、そうでなくともすべての人生に対して、このような枝葉の興味というは重要な気がしています。

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