ヤンゴンの環状線1

ミャンマーのヤンゴンには様々な観光スポットがありますが、おすすめなのが電車に乗ることです。ヤンゴンには日本で引退した鉄道車両が、まだ現役で走っています。

Yangon City, Myanmar:環状線の電車

ヤンゴンへの移動の際、飛行機の窓を覗くと美しい雲の海が広がっていたので、私は一眼レフで写真を何枚も撮っていました。すると、二つ前の席の若者も同じように写真を撮っていたので親近感を覚えたのですが、空港に到着したときにその彼に呼び止められました。

飛行機から見える風景

彼はカメラが好きな学生で、私のニコンのシャッター音が心地よかったと話してくれました。彼にヤンゴンの目的を聞くと「自動車や鉄道車両が日本製で、外装に日本語がついたまま走っているところを見たくて旅行に来た」と教えてくれました。

Yangon City, Myanmar:日本車

ミャンマーでは規制緩和に伴い日本中古車の輸入が盛んに行われるようになり、右側通行にもかかわらず右ハンドルの日本車が多く走っています。中には日本で使われていた外装のまま走っている車もあり、東南アジアの異国情緒溢れる風景と相まって不思議な雰囲気を醸しています。

Yangon City, Myanmar:環状線の電車

また、鉄道車両も日本から譲渡されていて、ヤンゴンの約46キロを走る環状線に利用されています。私は鉄道には詳しくないのですが、乗ってみると明らかに古い型のもので、車両には扇風機が付いていることからもその古さがわかります。

私が乗車したのはミャンマー最大の駅となるYangon Central Railway Stationです。オフィスからほど近いのですが、日本でいえば東京駅に近い存在でしょうか。環状線は三十八ある駅をぐるっと三時間かけてゆっくり回り、その間にミャンマーの人々の日常風景を見られるということで、多くの外国人の人気の観光スポットとなっています。

Yangon City, Myanmar:環状線の電車

改札のようなところを抜けて6、7番ホームまで進んでから初めてチケットを購入します。購入の際は、外国人だということがわかれば無言で環状線のチケットを発券してくれます。

Yangon City, Myanmar:環状線の電車

電車は様々な人たちが乗車しています。満席でも頼めば席を詰めてくれますし、頻繁に乗り降りするのですぐに空席ができます。座らずにのんびり車内を探検するのもおすすめです。

Yangon City, Myanmar:環状線の電車

ヤンゴン中心部に近い駅では、売り子の人たちが代わる代わる乗車してきます。切符の検札も曖昧なので、売り子の人々も適当に乗車してくるようです。品物はうずらや鶏のゆで卵や揚げ物など、手軽な食べ物が中心です。

Yangon City, Myanmar:環状線の電車

また、扉は開いたままなので、出入口に腰掛ける人がいたり、車両途中の運転席に座る乗客がいたりと、かなり自由な雰囲気が広がっています。車内にある案内はほぼ全て日本語が残されていますし、不思議とリラックスしてしまいます。

Yangon City, Myanmar:環状線の電車

扉から体を乗り出すことができますが、日本に比べて速度はゆっくりなのであまり危険ではありません。鬱蒼と茂る木々の葉や、のんびりとホームにたたずむ人たちを見ていると、異国に来たのだなあと感じます。

Yangon City, Myanmar:環状線の電車

窓の外を見ていると、なぜか線路の上に洗濯物を干している人が多いことに気がつきます。雑草が生えておらず、影もできないので乾きやすいのでしょうか。日本でやったら大問題でしょう。

線路は柵など設けておらず、自由に行き来できるようになっています。線路のすぐそばに生活があるだけでなく、線路が生活の場所になっていることだってあります。いずれこのミャンマーでも発展に伴って、このようなおおらかな風景はなくなっていくことでしょう。

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