自然がいきいきとしているこの季節、どうも植物の話題が多くなって恐縮しています。ベランダのアサザの花が咲いたので、少しだけご紹介したいと思います。
アサザを購入したのは今年の三月中旬頃、「夕日」という普通のアサザの花よりもオレンジ色の濃い種類のものを選びました。メダカを育てている睡蓮鉢に投入したときは、まだ小さな葉をいくつか付けている状態だったのですが、みるみるうちに大きくなって、二週間ほどで葉が睡蓮鉢の水面を覆うほどになりました。
睡蓮鉢にはアサザの他にもコウホネやヒシモドキ、ヒメオモダカ、ヤエオモダカを植えていました。アサザの葉で日が当たらないと他の植物の成長が妨げられるため、気がついたときに間引きをするようにしていました。
時にはやりすぎたかな、と思うほど葉や走出枝を取り除いていましたが、一週間経つと元の通りに茂っていました。あれよあれよと言う間に、ついには花を咲かせてしまいました。
これほど旺盛な生命力を持つアサザですが、自然のものは一時減少していたようです。茨城県の霞ヶ浦などでは保全活動が行われていたようで、協力してくれる一般家庭に株を預けて個体を増やす試みが行われていたようです。
しかしながら、店舗などで購入したものを不用意に自然に放ってはいけません。一見似ていても異なる原産地や種である場合があるので、自然に放つと在来種の生育環境を脅かす可能性があります。メダカなどは異なる遺伝子の交雑が行われ、固有性が失われていく可能性があります。
自分の責任で管理できる外界と隔てられた場所で育成する必要がありますが、植物の場合は風などによって種子が外へ移動してしまう恐れがあります。このことを考えるとジレンマに陥ってしまいますが、写真のアサザのような美しい花を見ていると、やはり園芸はやめられないなと思います。