先日、大阪で地震が起きました。死傷者も多く甚大な被害が出ています。日本は本当に災害の多い国ですが、ここ最近は特に多いような気がします。
台風や噴火など、日本は様々な種類の災害に見舞われますが、最も縁深いのが震災です。昔から関東大震災の話を聞かされたり、防災訓練を受けるなど注意を促されていましたが、実際は自分たちには無縁のものだと思っていました。しかしながら、七年ほど前に東日本大震災があり、二年ほど前には熊本の地震もありました。御岳山や箱根山、その他でも噴火が続いていますし(地震との関連性は不明だそうですが)、私の住む東京でも大きな震災が起こるのは時間の問題なのかもしれません。
しかしながら、それを分かっていながらも、まだ大丈夫だろうという気持ちが残るのも正直なところです。人間というのは、大抵は問題に直面しないと実感できない生き物です。東京都が配布している東京防災ブックには、三十年以内に70パーセントの確率で首都直下地震が起きると書いてあります。私は四十代前半の年齢なので、三十年経ったとしてもまだ七十代という計算になります。何も起きない可能性もありますが、生きている間に地震が起きる確率のほうが高いと言えます。
先の東京防災ブックには「まず自分の生命を確保することが大事」と書かれています。これは至極当然の論理で、他の防災に関する書物でも同じことが書かれています。しかしながら、災害の個人的な不安でいうと、災害の後のほうが大きいと考えてしまいます。
知人や恋人、家族などが死んでしまったら、今住んでいる家が倒壊してしまったら、怪我をして不自由な生活を強いられることになったならと、不安は尽きません。いつまでも癒えることない心の傷が自身を苦しめるでしょう。まだ被災していない私自身がこんなに不安なので、実際に被災した方達の心中を察するに余りあります。
地震の少ない中国や東南アジアなどに移住してしまえばいいかといえば、そういう訳でもありません。やはり住み慣れ愛着のある故郷で生きていきたいのが人間というものです。それであれば、やはり災害に備えてひとつひとつ不安を解消していくしかありません。ポジティブな話ではないので気が進まないところではありますが、災害は日本人にとっての宿命なのかもしれません。