冬の楽しみを考える

気がつけば、もう十月も後半に差し掛かってきました。あんなに暑かった夏は見る影もありません。もう少しで二十四節気は霜降(そうこう)がやってきます。

東京都豊島区雑司が谷:猫

これから少しずつ寒い冬へと向かっていきます。十二月の頭くらいまではまだまだ大丈夫ですが、それ以降は朝起きるのが辛くなってきます。
このコラムを読んでくださっていれば分かると思いますが、私は寒いのが苦手です。しかも、それが三ヶ月以上続くのが嫌です。死ぬ時は冬以外の季節がよいなと常日頃思っていますが、老人になって孤独死する場合は夏に比べたら周りに迷惑かからないかもしれませんので、かえってよいのかもしれません。とはいえ、やはりあの寒さを考えると今から気が重いです。

そんな私でも、今くらいの季節には冬の雰囲気が楽しみになることもあります。
例えば、遠く高い位置にあるうろこ雲を見上げた時の清々しさや、西日の当たる不忍池に集まる渡り鳥の賑やかな感じ、身体に染み込む熱燗とおでんの温かさなどです。これらはやっぱり冬にしか味わえないものなので、冬がないのはやっぱり寂しいと思います。

唯一辛いのは冬と仕事が合わさった時なのかもしれません。最も気温が下がる朝に愛しい布団から抜け出し、憂鬱な仕事にわざわざ出かけないといけないのは辛いものです。とはいえデスクワークなので外で仕事をする方々とは比較になりませんし、今年から在宅勤務になったので通勤の寒さに身を晒すことはなくなりました。こんなふうに冬を恨めしく思うのも贅沢なのかもしれません。

おでん

さて、冬にやりたいことは何でしょう。
ベランダの植物は葉が落ちて園芸にいそしむことはできませんし、メダカもじっと動かなくなってしまいます。日が沈むのも早くて散歩の時間も短くなりますし、何より寒くて長い間外に出ていられません。ウィンタースポーツはいいかもしれませんね。もう何年もやっていませんが、雪山で身体を動かすのは疲れますが気持ちがいいものです。それであれば、ばたばたするのは嫌いなので泊まりがけがいいですね。温泉につかってからお酒を飲んで暖かい部屋で眠って、帰りは新幹線でのんびり帰るのがいいです。

無理に外に出ようとしないで、部屋にこもって模型を作るのもいいかもしれません。冬は乾燥しているので塗装をするにはもってこいの季節ですし、あまり動きたくないので手の先だけに集中できます。現に私が模型をいじるのは冬場が多かった気がします。読書や小説を書くなど、もともとはインドア派なので楽しみはたくさんあります。
あとはどうでしょう。寒空の下、屋台で熱燗と温かい食べ物をいただくというのもいいですね。おでんや鍋もおいしい季節です。暖かいお店の中で顔を赤らめながら「外出るの嫌だなあ」なんていうのも結構楽しかったりもします。

願わくば二ヶ月ほどで冬は去ってもらいたいものですが、しばらく続くので何とか楽しみを考えて乗り切りたいと思います。しかしながら、冬の一番良いところは春の到来を楽しみにして、耐え忍ぶことなのだと個人的には思います。

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