ドラゴンクエストの思い出

私は小学生の頃、ご多分に漏れずファミコンに夢中になっていました。色々なゲームソフトやりこみましたが、やはりドラゴンクエストはお気に入りでした。

ドラゴンクエスト スライム

ドラゴンクエスト、通称ドラクエは現在もシリーズ化されていますが、私がもっとも多くプレイしたのが「ドラゴンクエスト II 悪霊の神々」です。その次は「ドラゴンクエスト」、通称ドラクエ I です。

発売当時、私は小学生でブームのど真ん中にいました。「ドラクエ I が面白い」と友達の間で噂されたときはすでに品薄で、購入することができませんでした。その後も手に入れられず、気付いた時には続編が販売されていました。

ドラクエ I は友達に貸してもらったので思う存分プレイできなかったのですが、ドラクエ II は購入したのでじっくりやり込みました。中学生になってゲーム熱が冷めてからも I と II は何度もやり込み、特に II は何十回もクリアしました。大連で仕事をしていたときも、旧正月の休みに外に出るのが億劫で、ドラクエ I を何日もやり込んでゲームの世界(アレフガルド)を旅行先に見立てて楽しみました。

III 以降は IV までプレイしましたが、正直そこまで思い入れはありません。物語性が増して感動できる要素が多いのですが、I や II の独特な物悲しい雰囲気のほうが魅力的です。世界の命運を託された勇者でありながら、誰も味方してくれないような孤独な状況がその雰囲気を醸成しているのではないかと思っています。また、開発された時期が家庭用ゲームの黎明期であり、ゲームの内容が説明不足でグラフィックもシンプルなことから、想像力を思い切り掻き立てられたこともあるかと思います。

プレイしていた当時は小学生だったので、想像力は溢れ出るくらいありました。人が久しく訪れていない場所に長い間眠っていた精霊(ルビス)の思いを勝手に想像したり、モンスターの侵攻を防ぐために築かれた街(メルキド)の城壁の高さを想像したり、最後の敵の城がある高い山々に囲まれた台地(ロンダルキア)の標高を想像したり、自分の頭の中で劇的なロケーションを創り上げていました。

現在のゲームでは、それらを音楽や音声、雄麗なグラフィックで表現しているのですが、当時はシンプルな8ビットのサウンドとドット絵でした。これが子どもの想像力を刺激したのか、はたまたどんな表現でも子どもだから感動できたのか分かりませんが、とにかく異世界に見事に連れ去ってくれました。

デザイン的な面でいうと、ドット絵でもセンスが問われます。ドラクエの場合はとても発色がよく、見事な造形でした。キャラクターデザインを担当する鳥山明のセンスもさることながら、それを美しいドット絵に落とし込むデザイナーの技術も素晴らしかったと思います。また、フィールドに配置された木々や山なども美しく、他のRPGに比べてクオリティが高かったように思います。私は小学生ながら感動したのをよく覚えています。

I と II は新しいプラットフォームでグラフィックや操作性も一新してリメイク版が発売されていますが、いまだに私はファミコン版をプレイします。小学生の頃を懐かしむと同時に、新たなクリエイティビティを自分自身の中で培うことができるからです。おそらく老人になってもプレイするかと思いますが、その頃に動作するファミコンや代用できるプラットフォームが残っているか心配です。

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