私は年下よりも年上の人と話すほうが好きです。波長も合いますし、なによりもリラックスできます。
私が子どものころはよく「大人っぽい」と言われていました。さらには「妙に悟っている」だとか「じじ臭い」とも言われていました。祖母とよく接していたからなのか、それとも小学校の担任が高齢だったからなのかわかりませんが、いつしかそのような思考になりました。
そのせいなのか、もしくは末っ子の特性なのかはわかりませんが、今でもひとまわりくらい上の人たちに可愛がられています。
もうひとつの理由として、私は若い子が苦手です。彼らが決して悪いわけではなく、おそらく私のプライドが邪魔しているのだと思います。年上としてしっかりしなきゃとか、馬鹿にされないようにしなきゃだとか、意味のないことに気を取られているのかもしれません。年上の人たちの前では自分が劣っていても何ら問題ありません。基本的には彼らは敬う対象であり、私は教わる立場です。本当は年相応にちゃんと成長しないといけないのでしょうが、自分のありのままの姿でいられるのは気が楽なものです。
また、最近は高齢者の話をたくさん聞いて喜ばせたい気持ちになります。彼らは「若者は年寄りのことなんて見向きもしない」だとか「最近の話し相手は年寄りばかりで陰気臭い」だとか嘆いていることが多いので、会話に応じるととても喜んでくれます。但し、妙に説教臭いとか、自分だけが正しいと思っている人は年上だろうが年下だろうが付き合おうとは思いません。幸いにも私の年上の知人たちは虚栄心のひとかけらも持っておらず、とてもフラットに接してくれます。
この先、あと二十年も経てば私は高齢者となり、年上の人たちが少しずつ減っていきます。そうなったときとても寂しいのだろうなあとぼんやり考えたりします。次第に私も若い人たちと話すことが楽しくなってくるのでしょうか。そう思うと、今現在がいちばん幸せなのかもしれないと思ったりします。