天道虫との再会

みなさん、十連休はどのように過ごされているのでしょうか。海外や国内に旅行するなど、長い連休ならではの楽しみ方ができると思います。私はといえば、いつものように馴れ親しんだ場所で過ごしていました。

東京都足立区:荒川土手

私が幼い頃に過ごした荒川の河川敷は、このコラムで何回も登場しています。近くの商店街でお惣菜などを購入し、土手でのんびりと過ごします。雑草が生えているだけでとくに珍しいものはありませんが、この季節の土手は私にとっていちばんお気に入りです。

東京都足立区 荒川土手:ナナホシテントウ

レジャーシートに座ったり、寝っ転がったりすると、普段目にすることのない小さな自然の世界が広がります。
この時期はテントウムシをたくさん見ることができます。テントウムシはカラスノエンドウなどのアブラムシがつく植物に集まります。
見渡すと、いくつかの植物おきにテントウムシを確認できます。頭の上や顔の正面などにも飛び交うので、他の虫と間違えてしまうほどです。斑点のある赤色と、せかせかと動く姿がかわいらしく、見ていて飽きません。

東京都足立区 荒川土手:ナナホシテントウ

蛹(さなぎ)から成虫になってまもないオレンジ色のものがいたり、その脇で真っ赤な色をしたものがいたりとテントウムシの成長過程を同時に観察することができます。

東京都足立区 荒川土手:ナナホシテントウの幼虫

幼虫もたくさんいます。トゲトゲして毒々しい雰囲気ですが、成虫になるとあのような可愛らしい外見に変わります。

東京都足立区 荒川土手:ナナホシテントウの蛹

蛹の状態のものもたくさんいます。葉の上で体をしっかりと固定し、成虫へと成長していきます。

東京都足立区 荒川土手:ナナホシテントウ

成虫になりたてのものはまだ黄色い色で斑点も薄いです。翅も乾いていないので外に晒したままとなっています。

東京都足立区 荒川土手:ナナホシテントウ

以前のコラムでも書きましたが、昨年も、そのまた前にも同じ場所でテントウムシを観察しています。彼らは私に再会するまでに、何世代移り変わってきたのでしょう。綿々と続く生命の連鎖にロマンを感じつつ、多くの生命を受け入れる荒川の懐の広さを偉大に思います。

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