先日、神津島に行きました。以前訪れたのは二十年ほど前でしょうか。少し変わったところはありましたが、自然の美しさや人のあたたかさは変わりませんでした。
午後十一時、竹芝桟橋へと赴き、神津島へ向かう大型船のさるびあ丸に乗船します。伊豆七島へ向かうには、ほかにジェット船(ジェットフォイル)や調布から飛行機に乗る方法がありますが、私は大型船の旅が好きです。
九月を入ったからなのか、竹芝桟橋はそれほど多くの人は集まっていませんでした。「我先に」という雰囲気ではなかったので、のんびりと出航を待つことができました。
船内はすこし入り組んでいますが、構造自体は単純なので迷ってもすぐに目的地までたどり着けます。船内を探索する楽しみもありますよ。
大型船は夜に出航し、あくる日の朝に到着します。出航時は東京湾の夜景を一望でき、これから旅に出るのだという雰囲気を演出してくれます。
東京タワーが美しく輝くなか、レインボーブリッジの真下を通ります。すぐに羽田空港の滑走路の灯りが見え始め、頭上には飛行機が飛び交います。
皆、一番上のデッキまで上って東京の風景を堪能します。東海汽船のマークは間近で見るととても大きく、航海への安心感を与えてくれているようです。
このようにのんびりと東京を眺められるのは、なんとも贅沢な気がします。未体験の方も多いと思うので、より多くの人たちに楽しんでもらえたらいいなと感じます。
しばらく東京の夜景を堪能したあとは、お酒や夜食を買ってくつろぎます。船内にはお酒やおつまみ、カップ麺やお菓子などが充実しているのでついつい買い過ぎてしまいます。
外が見えるデッキへと移動し、椅子に座りながら夜空を見上げます。遠くは横浜なのか、横須賀なのか、だんだんと減っていく街の灯りをのんびり眺めながらお酒を飲みます。
まわりを見渡すと、夏休みの最後を楽しむ若者たちが思いおもいにはしゃいでいます。なかには地べたに座って宴会をしている若者もいます。かつての自分を見ているようで、すこし気恥ずかしく感じます。
飲みすぎるとしょっぱいものが食べたくなってきて、思わずカップラーメンを購入してしまいました。潮風を浴びながら、ジャンクな食べ物を食べるのは最高の贅沢です。
まわりが本格的に暗くなると、船内も静かになってきます。今回は特2等室に泊まりましたが、雑魚寝ができる2等和室も賑やかでおすすめです。お酒をずいぶん飲み過ぎたので、この日は早々に就寝しました。
いくつかの島の停泊を経て、あっという間に神津島に到着しました。船内から見る港の風景は鮮やかでとても眩しいです。地元の人々ののんびりした雰囲気も心地よく感じます。
島に上陸すると天気は快晴、清々しい気分になりました。これから三日間、神津島に過ごすことになりますが、そのお話はまた次回に持ち越したいと思います。