高常の江戸浴衣

先日、四年ぶりに浴衣の染元である高常に再訪しました。こちらの浴衣は江戸や明治時代の型版を使用していることで有名です。

東京都江戸川区平井:染め工房・高常

現在の店主のお父様にあたる三代目が古典柄の型版を三万点以上収集しており、どれも素晴らしいものばかりです。以前訪れたときは倉庫で現物を見せていただきましたが、まずその数に圧倒されました。さらにひとつひとつが繊細な作業によって作られており、現在は失われた技術であることがわかります。

東京都江戸川区平井:染め工房・高常

高常のウェブサイトによると、高常は江戸から明治時代に三重県伊勢市白子で作られた伊勢型紙を使用しており、蒐集した三万点の型版のなかから四百種類ほどを厳選して染めているそうです。

東京都江戸川区平井:染め工房・高常

残念ながら後継者がいないので、しばらく経つと新たに生産されることはないでしょう。プリントなどの大量生産や伝統を無視した安直な柄が主流の昨今、このような素晴らしいものがなくなってしまうのは非常に残念なことです。

東京都江戸川区平井:染め工房・高常

現在の店主である高橋栄一さんはとても陽気な方で、話しているだけで愉快な気持ちになります。訪れた日は暑かったので、缶コーヒーを用意していただき汗がひくまで十分時間をとっていただきました。その際に世間話をしていたのですが、楽しくて浴衣の柄を選ぶのを忘れてしまいそうになりました。高橋さんは厚生労働省の卓越技能者に認定されており、数々の賞を授与されています。

浴衣の柄を選ぶ際には、納得いくまでたくさんの柄を見せていただきました。染めの工程なども丁寧に説明していただき、顧客と作品を大切にされているのだなと感じました。

東京都江戸川区平井:染め工房・高常

できることなら限りある時間のなかで、もうすこし購入したいと思っています。また、皆さんにも高常の素晴らしさを直に感じていただけたらと思っています。
事前に電話予約をすれば現地で現物を見せていただけるるので、ご興味のある方はぜひ連絡してみてください。

染め工房・高常
〒132-0035 東京都江戸川区平井3-21-11
03-3685-4557
yukata_takatune@yahoo.co.jp
染め工房・高常のウェブサイト

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