今を書き留める

このコラムを始めた頃は、一年経つごとに「書き続けて何年目だな」と意識していましたが、最近ではあまり気にかけなくなりました。見返してみると、最初が2013年の九月一日なので、六年と少しの年月が経っていることになります。数を調べると、465記事ほどあります。

東京都渋谷区本町:猫

日によっては更新が遅れることがありますが、とりあえず決めているのは五の倍数の日に更新することです。五、十、十五、二十、二十五、三十、といった具合で、一ヶ月に六記事となります。二月だけ三十日がないので、その間だけは少しお休みできます。

よくもまあ、これだけ続いているものです。

書くことが思いつかず、ほとんど内容がなかったり、同じことを何度も取り上げたりすることもあります。忙しくて思うように時間が取れないこともしばしばです。始めた当初は私の小説に興味を持っていただいたり、小説の内容についてより深く伝えたいといった目的でコラムを書いていましたが、最近では自身の思うことや体験したことを書きためる日記のような存在になっています。したがって、内容がどうであれ、当時の自分を思い返すことができるので続けてよかったなと思っています。

普通に生活していると、その時に感じていたことを忘れてしまいます。常に前を向き続け、よりよい結果を得られたらいいのですが、道に迷ったときにこれまでのプロセスを振り返ることは大いに役立つと思います。SNSのようにトピックだけ残し続けるのもよいですが、文章に残しておくとより鮮明に思い返すことができますし、どのように感じ、考えていたのか、心の機微を感じ取ることができます。私はできればあと十五年ほどこのコラムを続け、六十歳くらいになったときに現在のことを振り返ることができたらいいなと思っています。

自分がこの世から去っても残り続けたら、とてもロマンチックだなと思います。ネットの空間を彷徨って、あるとき未来に生きる誰かが読むことがあれば、私の断片に再び命の灯がともるような気がします。Googleは一定期間以上古くなった情報は検索対象から外すと宣言しているので、その可能性は低いと思われますが、時を超えて私が愛する風景や自然や人々のことを知ってもらえたら、とても嬉しく思います。

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