猫と付き合う

私は猫との関係の深い人間です。物心ついたときから傍にいて、高校からは多数の猫と生活を共にしてきました。

猫:東京都豊島区池袋

猫がなにを考えているのかというものも、おぼろげにわかるようになっています。どこを撫でられたら嬉しいのか、どのタイミングで交流したら嬉しいのか、尻尾の仕草などではなく、相対したときの直感でわかるようになりました。

それでも、わからないことはまだまだあります。理解しているのは一割程度というところでしょうか。性格は個体ごとにさまざまなので、環境や状況に対する受け止め方もまったく異なります。個人主義でありながらも、むしろ個人主義であるがゆえに繊細で、その対処に未だに困惑しています。

飼っている一匹に雌の黒猫がいるのですが、最近になっていわゆる「舐め壊し」をはじめました。舐め壊しとは、過剰にグルーミングをすることで、毛が抜け落ちて肌が露出する現象です。悪化すると血が出てかさぶたができ、進行すると骨まで露出してしまいます。

かの黒猫も腰の一部分の肌が露出し、かさぶたができています。元々肌が弱い子なのですが、最近環境がすこし変わったことによってストレスが溜まり、舐め壊しをしたのだと思います。

ストレスの原因は「寂しい」という感情で、飼い主があまりかまってあげていないことだと推察しました。甘えん坊の子なので接する機会を増やし、ここ最近は腕枕をして一緒に寝ています。また、過剰なグルーミングを避けるために服を着せたのですが、他の猫たちが珍しがってちょっかいを出してきます。他の猫との交流があまり好きな子ではないので、なるべく傍で見守るようにしています。

病院での診察と治療はいわずもがなですが、猫一個人に寄り添って、コミュニケーションする必要があります。その際には仕草や雰囲気を読み取って、感情の動きをつぶさに感じ取る必要があります。

ペットは人間の癒しになると思いますが、それは彼らへ注ぐ愛情の裏返しです。彼らと過ごす大半はこちら側の奉仕です。人間と同様に彼らは個性があり、考え方や感じ方はさまざまですが、その気持ちを汲んでやるには、言葉がないぶん困難です。じっくり観察し、じっくり寄り添ってあげるしか方法がありません。

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