平和の祭典

東京オリンピックが開催されました。開催前から多くの問題があり、前日になっても関係者の辞退や解任がありました。新型コロナウイルスの感染拡大も深刻です。

私が子どもの頃のオリンピックはまばゆいくらいに美しく、心が躍る祭典でした。学生時代も同様で、世界屈指のクリエイターが集い、彼らの作るエンブレムやポスター、ピクトグラムなどのインフォグラフィックスを喰い入るように見つめたものです。

しかしながら、あるときから運営の裏側が見え隠れするようになり、権力にまみれた実態が露わになってきました。ここ何回かのオリンピックはネットのニュースで見るくらいで、とりたてて注目することはありませんでした。

それでも、東京で行われるオリンピックは特別であり、開催されるのであれば素敵なものになればいいなと思っていました。しかしながら、エンブレムの盗作疑惑に始まり、呪われたように問題が山積していったのは周知の通りです。

オリンピックは平和の祭典であり、人類の調和的な成長を促す大会です。しかしながら、実態は人々の調和を旧来の価値観のまま維持しようとし、新たな成長への挑戦を否定しているようにも見えます。

それでも、今回のあらゆる不祥事によって、性別や人種、障害者への差別意識、既得権益の実態やイベント催行のあり方、開催国の人々の負担など、さまざまな問題を考えさせるよい機会になったと思っています。

国連が2030アジェンダとしてSDGsを唱えましたが、今回のオリンピックを契機として世界を変革する一歩となればよいなと思っています。

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