感覚の麻痺

新型コロナウイルス感染症が騒がれ始めてから二年以上が経ち、非日常が日常になりつつあります。

東京都豊島区雑司が谷:オニタビラコ

今年の初めは第六波として感染者数が著しく増えました。東京都では一日の新規感染者数が二万人に届く勢いでしたが、現在では減少傾向が続き、昨年のオリンピック開催時のピーク(第五波)程度になっています。

前回の波のときは「こんなに増えてどうなるのだろう」と不安になったものですが、それ以上の波がくると感覚が麻痺し、以前の数字が大したことのないように思えてしまいます。もちろん、変異株の症状の深刻度やワクチン接種率などによって受け止め方も変わるのですが、以前ほど恐怖を感じないのは心の馴れによるものだと思います。

マスクも最初は違和感がありましたが、今となってはむしろ快適に思えてきます。あるアンケートで「コロナ収束後もマスクを着用するか」という質問に約半数が「継続して着用したい」と回答しています。また「外食できないのは辛い」という声が大半でしたが、まん延防止等重点措置の解除後も居酒屋では午後九時以降になると帰るお客さんが多いといいます。

産業などは急激な変化に対応しづらいですが、人間の感覚に関しては柔軟性があるものだなとしみじみ感じます。また、苦境からこれまでの当たり前を見直し、新たな価値を見出す人間のタフさには感心させられます。

新型コロナには一日もはやく収束してもらいたいものですが、多少の諦めと気持ちの切り替えをして前へ進んでいく必要もあると思っています。

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