ミニトマトの終わりと実生

こちらのコラムでもよく紹介していたベランダのミニトマトですが、この夏ついに枯れてしまいました。2016年の六月に家にやってきたので、約二年の命だったのですね。

ミニトマト

トマトは普通、一年収穫したら終わりと言われますが、このミニトマトは翌年も実をたくさん付けてくれました。実を付けては葉が枯れて、茎が固い表面に覆われつつも、たくましく生き続けてくれました。正直なところ、甘やかして育てていたのでトマト自体の味は美味しいものとは言えませんでしたが、季節を問わず実を付けてくれるところがなんともいじらしく愛着がありました。

ミニトマト

一昨年の冬は枯れたようになっていたので、昨年の冬から今年の春にかけても同じようになったときにはあまり気にかけていませんでした。しかしながら、今年は新しい葉が出てきてもあまり大きく育たなかったので、そろそろ潮時かなと思い始めていました。

ミニトマト

ふたつほどの実をぶら下げたまま、葉は枯れて茎の色は失せてしまい、ついには死に至りました。休日の朝、他の植物たちにも水をあげているときにぼうっとこのミニトマトを眺めて、在りし日の姿を思い起こしていました。しかしながらそのとき、残ったふたつの実を切り離し、種を取り出して土に埋めてみることを思いつきました。うまくいけば、また芽が出るかと考えたのです。

ミニトマトの実生

その考えは的中し、一週間くらい経った後に鉢を見るとたくさんの芽が顔を出していました。これには思わず私も顔のほころびを隠せなかったのですが、これらの芽がうまく成長するかどうかは未知数です。しかしながら改めて、植物の生命力には感嘆させられました。

実生だけではなく、植物の栽培というのは難しいことが多いのですが、うまくいったときはとても嬉しく思います。収穫は楽しいものですが、どちらかというと植物との絆を感じることに最も充足します。今回の芽たちもうまく育つか分かりませんが、もう少しきちんと栽培できたらいいなと思います。

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