室積でのんびり過ごす

今回も先週先々週に続き、室積の旅の話です。おそらくはもうしばらく続きます。

山口県光市:虹ケ浜

室積に訪れた当日、台風が九州までやってきて天気は大荒れでした。しかしながら、翌日は太陽の光が大地を照らし、美しい風景が姿を現しました。

当初の予定は初日に室積でゆっくり過ごし、二日目は尾道や厳島などすこし遠くに出かける予定でした。無事に晴れたので山陽本線に乗って厳島に行こうとしましたが、残念ながら電車は午前中から運休。運転開始の見通しも立たなかったので、室積で過ごすことにしました。

光駅の目の前には、虹ケ浜海岸が広がります。「日本の渚百選」などに選ばれるほど美しい場所で、白砂の美しい浜が約2.4キロ続きます。

山口県光市:虹ケ浜

台風が過ぎ去った翌日だというのに、波は穏やかです。いつもなら砂が巻き起こっておらず、さらに水が綺麗なのでしょう。九月も半ばだったので観光客はほとんどいなく、地元の人たちがのんびり散歩を楽しんでいました。

山口県光市室積:海商通り

光駅へ一旦戻り、バスに乗って室積の象鼻ヶ岬のほうへ進みます。室積はかつて商港として栄えた場所です。江戸から明治時代にかけての豪商の町屋が集まる通りは海商通りと呼ばれ、観光スポットとなっています。

山口県光市室積:光ふるさと郷土館

この通りにある光ふるさと郷土館は、醤油屋を営んでいた磯部家の建物を修復したものです。なかなか見応えのある展示ですが、人が少ないのでじっくり見学することができます。お庭でのんびり過ごすこともでき、おすすめです。

山口県光市室積

海商通りから東方面に進むと、室積湾(御手洗湾)が見渡せます。象鼻ヶ岬の先端もはっきり確認できます。これから徒歩でのんびり向かいます。

山口県光市室積

民家や学校の間を抜けていく間、くつろいでいる猫を何匹か発見できます。室積は本当に穏やかで、時間が止まっているかのようです。

山口県光市大字室積村:象鼻ヶ岬

木々が生える道を進んでいくと、案内板が見えてきました。先端にある室積灯台まであとすこしです。ちなみに裏側の自然研究路は樹木が生い茂っていて、なかなかのハイキングコースです。

山口県光市大字室積村:象鼻ヶ岬

象鼻ヶ岬の先端へたどり着きました。室積湾の内側は本当に穏やかです。地元の人たちも結構多かったのですが、みなさん通りすがると気さくに挨拶してくれました。

山口県光市大字室積村:象鼻ヶ岬

湾の外側もかなり穏やかです。昨日まで台風が来ていたとは思えないほどで、瀬戸内海がどれだけ穏やかなのかがわかります。遠くを見ると、祝島や牛島の先にぼやっと九州が見えます。大分あたりでしょうか。

山口県光市大字室積村:象鼻ヶ岬

さらに進んでいくと、先端の室積灯台にたどり着きました。正式には室積港灯台といいます。プレートを見ると、昭和二十四年に作られ、平成六年に改築されているようです。

山口県光市大字室積村:象鼻ヶ岬

アオサギなど多くの野鳥が飛来していました。神津島にいたイソヒヨドリも多く、かわいらしくも美しいさえずりを聞かせてくれます。

山口県光市室積

帰りは来た道をぐるりとまわってさかのぼり、本州側からあらためて室積湾を見渡します。本当に穏やかで、のんびりとしています。

山口県光市大字室積村:象鼻ヶ岬

室積は歴史が深く、古い建造物なども数多く残っています。それでいて、あまり観光地化されていません。それゆえに、訪れると自分のふるさとに帰ってきたような気分が味わえます。「なぜ、わざわざ室積に行くの?」と不思議に思われることもありますが、私はこういった、多くの人が注目しない場所に訪れるのが大好きです。自分の目で確かめ、身体で感じ、どのような印象を受けるのかを他人のフィルターに頼らず判断する。そうすることで自分だけのお気に入りが見つかり、愛着がわいてくる。旅だけではなく、さまざまなことに応用できると思うので、みなさんも試してみてはいかがでしょうか。

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